SMARTWIZ+artは 1台購入につき 1本の木を植えられる tree-nationプログラムに参加しています。本稿は tree-nationがどのような企業なのかを紹介する記事です。

Tree-nationと植樹事業

Tree-nationの事業は「木を植える」こと。大変シンプルです。

創業者は「人生を意味ある事に捧げたいと思った」ことをきっかけとして、2006年に同社を立ち上げます。当時、国連環境計画(UNEP)が「Billion-Tree Campaign」を発表するなど、気候変動対策としての植樹の意義が広く知れ渡ったことも事業の後押しとなりました。現在は、スペイン、バルセロナに本拠を置いて活動しています。

カーボンオフセットとしての tree-nationプログラム

Tree-nationは個人や企業から植樹のための資金を募って活動する非営利企業です。非営利企業といっても善意 100%で存続するボランティアのような事業ではなく、ビジネスとしての側面も併せ持ちます。企業にとっては tree-nationに出資する実効的なメリットが存在するのです。

その 1つがブランドイメージの向上。もう 1つは確度の高いカーボンオフセット手段である、という側面です。

オフセット(offset)とは「相殺する」という意味で、事業活動で排出した CO2を別の事業で減らし、実質的に大気中へ放出される CO2をゼロにしようという考え方です。

アパレル、運送、製造業などはその事業活動の中で CO2の排出が避けられません。しかし、CO2削減を目指す別事業へ出資することで、実効的な CO2排出量を減らすことはできます。

国内でも一定以上の事業規模を持つ企業に対しては CO2排出量に制限が設けられますが、カーボンオフセットや排出量上限の市場取引によって実質的に上限を超えることが制度として認められています。

カーボンオフセットの種類は様々です。太陽光パネルの設置や温室効果ガスを地中に閉じ込める CCSなどが代表的なものですが、一部事業には実質的なCO2削減効果が疑問視されているものがあります。

例えば、太陽光パネルの設置は広く知られたカーボンオフセット手段ではありますが、製造工程や使用後の廃棄処理など、プロセス全体を考慮して CO2の収支がマイナスとなるためには一定期間の運用が必要です。また、太陽光パネルは設置時に周辺環境を整備する必要があり、国内でも自然環境破壊や盛土による土砂災害が問題となりました。つまり、出資した分のブランドイメージ向上とオフセット効果を必ず得られるというわけではありません。

他方、植樹プロジェクトはその効果が一般に広く知られており、環境負荷も比較的少ないため、確実性が高いカーボンオフセットと捉えられています。

もちろん植樹プロジェクトが頓挫する可能性はありますが、tree-nationではこの可能性について大変憂慮し、事前の計画策定に力を入れてきました。こうした実利やビジネス的な側面を地球環境保護活動と上手く結びつけたことが事業拡大の一助となっているようです。

Project Swahili Coast Mangrove Restoration Kenya

プロジェクトの追跡

Tree-nationが植樹に携わった全ての木には対になるデジタルツリーが存在し、プラットフォーム上でその情報が管理されます。これによって、各ユーザーが CO2のオフセットに貢献した量を瞬時に計算可能です。

加えて、tree-nationでは透明性の高いプラットフォームを目指し、財務状況プロジェクトの進捗に関する様々な情報の開示を行ってきました。

ブランドイメージの向上やカーボンオフセットを目論む企業と違い、個人が tree-nationに出資する経済的なメリットはもちろんありません。しかし、創業者である Maxime Renaudinが「意味ある事をしたい」という理由で本事業を始めたように、「誰かの役に立ちたい」、「自身が生きた証を残したい」という欲求は「お金を稼ぎたい」という欲求と同程度、またはそれ以上に大きなモチベーションとなるものです。

そして、その「成果」をプラットフォーム上で随時確認できるという事実は個人での出資のモチベーションにも大きく関係してきます。「このお金がちゃんと地球環境のために使われているのか」と、深く考えずとも個人が気軽に出資できるツールであり、それは実際に創業者が目指したものでもあります。

植樹の効果

2025年10月時点で、Tree-nationは 79のプロジェクトを実施し、これまでに 4400万本の木を植えました。これは 570万tの CO2オフセットに相当します。2021年の全世界の CO2排出量が 336億tであることを考えるとカーボンオフセットの難しさを痛感するところではありますが、植樹事業の効果はカーボンオフセットに留まりません。

植樹事業は生物の多様性を維持するという効果もあります。

現在、森林の減少が最も顕著な南米、アフリカ、東南アジアの熱帯林は絶滅危惧種に指定される生物が多く生息しています。森林の伐採がそうした生物の住処を奪い、絶滅を加速させていることは言うまでもありません。Tree-nationが多くの植樹プロジェクトでターゲットとしているのはまさにそうした地域であり、失われつつある生物多様性を守る役割も担っています。

加えて、tree-nationの事業は途上国における雇用の創出にも寄与します。

プロジェクトの選定においては、こうした効果や実現可能性を考慮して総合的に判断されますが、チームが強いモチベーションを持っていることも重要な基準としています。

SMARTWIZ+art

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