空き巣や強盗などの家宅を狙った犯罪は減少傾向にありますが、これには一般住宅での施錠の徹底、監視カメラの設置など、防犯意識の高まりによる効果も大きく影響していると言われています。
今回は 2025年11月に販売開始した SMARTWIZ+artを使って、気付かぬ間に泥棒に侵入される被害を防ごう、という話です。
知らない人が家にいる話
先日、Youtubeに期間限定でアップされていた『ザ・ファブル』というアニメが面白かったので一気見してしまいました。原作は週刊ヤングマガジンで現在連載中の青年向け漫画です。
主人公がアルバイトを勤めるデザイン事務所の同僚、清水さん(女性、22才)は、同じくデザイン事務所に勤める貝沼(男性、23才)に自宅の鍵を盗まれ、物品の盗難や盗撮などの被害に遭うのですが、結局最後までそのことに気付きません。なんとも恐ろしい話です。
そういえば私の通っていた大学にも、「大学に住みついていた女性」の話がありました。大学では学生が泊まり込みで実験をすることがよくあったため、その女性に関して誰もが大学関係者だろうと思っていたところ、一切関係のないホームレスだったという半分笑い話です。
「知らない人間がいつの間にか自宅に侵入している」という一種の都市伝説は昔からあります。古くは急速に都市化が進んだ産業革命期のロンドンなどで人口が増え過ぎて居住ルールが曖昧になったところで多発した問題だったとか。日本にも座敷童という妖怪がいますが、貧しく住む場所がないために人の家に無断で居住する人は昔から一定数いたのでしょう。
形跡なしの空き巣被害
以上はフィクションと少しの実話が混ざった笑い話ですが、実際に家主が気付かぬ間に家に侵入されるケースは現代日本で起きているのでしょうか?
ネットで調べてみれば最近起きた事件が幾つか見られますが、防犯の観点からは「空き巣」との関係で語られることが多いように感じます。例えば、一般社団法人 日本住宅安全保安協会の記事など。ポイントは「気付かないままだと被害が拡大する」というところのようです。
近年は空き巣の手口も巧妙化しており、犯行前に居住者の生活リズムを把握するなどの下調べが当たり前のように為されているようです。もし、一度形跡を残さないまま空き巣に成功し、その後も居住者がそのことに気付かなかった場合、その家は「空き巣をしてもバレない家」と認識されてしまうことでしょう。犯人はよりリスクの低い家を狙うため、一度空き巣が成功した家は次も狙われる可能性が高まります。
また、空き巣に気付かなかった場合、犯人に繋がる手がかりは時間の経過に従って薄れていってしまいます。犯人特定は更に困難になるでしょう。
窓や扉の施錠が重要であることは言うまでもないことですが、もし侵入された場合には、侵入されたということがすぐに分かるような仕組みも大切になります。
SMARTWIZ+artによるステルス防犯
スマートホーム技術を利用すれば、知らない人間が居住者に無断で侵入したことを検知できます。
例えば、後付けオートロックのセサミシリーズと専用アプリを使えば、何時何分に鍵が開けられたかが記録され、これを見ることで自分以外の人間が出入りしていないことが分かります。
キャンディハウス SESAME5 セサミ5 スマートロック オートロック 鍵 スマホで操作 Alexa Google Home Apple AppleWatch 遠隔対応 工事不要 後付け
これは本当に便利!毎日の鍵のストレスから解放

ただ、こちらの場合は自分でログを確認しない限り、他者の侵入に気付くことができません。セサミを利用している私自身も日常的に記録を見たりはしないので誰かが侵入したことに気付くのは中々難しいかと。
そこで提案したいのが、Google Homeの自動化機能と SMARTWIZ+artを組み合わせた「ステルス防犯」です。
具体的には、玄関のドアセンサが反応した際に、家主(のスマホ)が近くにいない場合、SMARTWIZ+artの画面を切り替えて誰かが侵入したと分かるようにする、という自動化を設定します。
家に帰ってきて、SMARTWIZ+artの画面が切り替わって赤いランプが点灯していれば、誰かが侵入したと分かるわけです。
SMARTWIZ+art
SMARTWIZ+artについての説明をまだしていませんでしたが、これはデジタルアートフレームというジャンルの製品でして、その名の通りデジタル画像を表示できる写真立てです。専用アプリから画像をアップロードして、自由に画像を飾れます。反射型ディスプレイであるため、画像を切り替えない限り電力消費が生じないところが、普通のディスプレイと違うところです。
Matterというスマートホームの規格においては、SMARTWIZ+artは「照明」に分類されます。他のセンサーデバイスに応じて、「オン」と「オフ」を切り替えることができ、それぞれに対応した画像を自動で表示させることが可能です。
ステルス防犯の設定方法
では、実際に Google Homeと SMARTWIZ+artを使って自動化を設定する方法を紹介します。
SMARTWIZ+artの Matter設定
SMARTWIZ+artは初めて起動した際に、matterを利用するかどうか選択するのですが、matterを使用する場合には、画面に表示される QRコードを読み取る手順を経ます。もちろん、最初に「matterを使用しない」を選んだ場合にも後から matterを使用する設定に変更できるのでご安心ください。
Matter接続の方法に関してより詳しくは、以下の記事もご参照ください。
Matter接続が終わりましたら、次に SMARTWIZ+artのオン時とオフ時に表示する画像を設定します。オン、オフ双方とも同じ画像を設定しておいてください。どんな画像でもいいですし、文章を表示する設定でもよいのですが、画面に表示されたものは侵入者にも見られるということにご注意ください。
在宅確認の設定
自動化の設定をする前に Google Homeの在宅確認設定を行います。在宅確認とは家主が在宅なのか、外出中なのかを判別する機能で、主にスマホの GPS位置情報を利用します。
Google Homeの場合は、アプリを開いて右上にある自身の Googleアカウントのアイコンをタップ > 家の設定 > 在宅確認 から設定できます。
在宅確認の画面を下にスクロールすると、スマートホームデバイスを使って在宅確認をする項目があります。Google Nest miniなどのスマートスピーカーには聴覚センサが搭載されており、音によって人がいるかどうかを判別できるのですが、こちらにチェックを入れてしまうと、「泥棒が家に侵入した状態」と「家主が在宅の状態」を区別できなくなるので、こちらのチェックは外しておいてください。
在宅確認について詳しくは以下の記事もご参照ください。
自動化設定
最後に、Google Homeアプリで自動化の設定をします。ホーム画面右上の新規追加(「+」アイコン) > 「自動化」から設定を始めます。
開始条件にはセンサデバイスを設定します。私は IKEAの VALLHORNを設定しました。本当は、同じく IKEAのドアセンサーである PARASSOLを設定したかったのですが、「近日対応予定」と書かれて設定できませんでした。この記事が出ている頃には対応済みになっているかもしれません。
その下の条件のところが重要でして、ここで「在宅」から「全員が外出」を選択します。これにより、家主が在宅の際には SMARTWIZ+artの画面が勝手に切り替わりません。
アクションの欄には SMARTWIZ+artのオン、またはオフを設定します。自動化の名前に関しては自身が分かりやすいものを設定していただいて、以上で設定は完了です。

もし誰かが侵入していることが分かったら
以上の設定をした上で、もし SMARTWIZ+artの画面が切り替わっていたとしたら、まず最初にすべきことはログの確認です。
Google Homeアプリの「アクティビティ」タブにはどのタイミングでオートメーションが起動したかが記録されています。もちろん、自動化や在宅確認の誤作動という可能性もあるので、アクティビティを見て、その可能性を検討してみてください。
その結果、どう考えても家主以外が侵入しているということであれば、警察に連絡しましょう。その際には、アクティビティの記録も役に立つはずです。
