スマートスイッチは、手動操作のみならず、スマートスピーカーやスマホアプリを使った遠隔からの操作もできるスイッチです。自宅のスマートホーム化において非常に重要なパーツとして当サイトでも何度か取り上げ、大きな反響を頂いております。

ただし、これまで国内市場になかった商品だけに、その設置方法や使い方について多くの誤解が見受けられます。本稿は、そうした疑問や勘違いを解消し、スマートスイッチについて正しく理解して頂けることを目指します。

日本で使えるスマートスイッチの登場

海外では既に販売されていたスマートスイッチですが、2025年後半ごろに日本でも利用できる製品が発売されました。それが、MOESの埋め込み型スマートスイッチ「WS-B-US」です。

PSEマークと技適マークを取得しているため、日本国内向けの基準を満たし、安心して利用できます。加えて、Matterにも対応しているため、他のスマートホーム製品との連携も容易です。

スマートスイッチは普通の埋め込みスイッチのように手動での操作もできますし、スマホアプリなどを使って遠隔からの操作もできます。従来の埋め込みスイッチの使いやすさはそのままに、照明や空調機器をスマートホームシステムに接続することが可能です。

MOESの「WS-B-US」についての詳細や設置方法については以下のリンクもご覧ください。

こちらの商品、ユーザー様のみならず、施工業者様からもたくさんのお問い合わせを頂いているのですが、従来の埋め込みスイッチと仕組みが異なるため、誤解が生まれやすく、似たようなところで躓かれているようです。以下では、頂いたお問い合わせを元に、それら疑問に 1つ1つ回答していきます。

スマートスイッチとスマート電球は併用できる?

まず最初に、『スマートスイッチとスマート電球は一緒に使ってもよいのか?』というご質問ですが、回答としましては『推奨されません』。

理由を説明するために、まずスマート電球の仕組みについてお話しいたします。

スマート電球は通常の電球と違い、消灯状態でも通電していなければなりません。これは、スマホアプリやスマートスピーカーからの無線信号を受信し、ON/OFFを切り替える必要があるためです。よって、スマート電球の使用に際しては壁側のスイッチを常に ONにすることが求められます。

他方、スマートスイッチは電球の通電状態を切り替えることで機器の ON/OFFを制御します。スマートスイッチによって電球を消灯状態にすると、電球側は通電していませんので、これがスマート電球だとしても無線信号を受け取れなくなってしまいます。

また、スマート電球への通電を止めると、初期状態(通信ネットワークに接続されていない状態)に戻ってしまうものもあり、そうなると、もはや単なる電球と変わりません。勝手に元のネットワークに接続してくれるスマート電球もありますが、そのたびにネットワークを再構築すると無駄な電力を消費してしまいます。

以上のような理由から、スマートスイッチを使う場合は普通の電球を、スマート電球を使う場合は普通のスイッチを使うことが推奨されます。

ではどちらを使うのが良いのか、という話になってきますが、電球の数が増えるほど利便性やコスパの面でスマートスイッチが有利になっていきます。新築で家中の照明をスマート化したいならば、最初から全部スマートスイッチにしてしまった方が手間が省けてベターです。逆に玄関の照明だけ、というような限定的な用途であれば、スマート電球が良いでしょう。

3路 or 4路式スイッチの実装方法

『3路式スイッチとして使いたい場合にはどうすればよいのか?』という質問もよく頂戴します。3路式スイッチというのは 1つの照明を 2箇所から ON/OFFできるようなスイッチのことです。よくあるのは階段の上と下にそれぞれスイッチがあり、それぞれから階段の照明を ON/OFFできる、というもの。

上記質問の回答としましては、『スマートスイッチの場合、従来型スイッチのような 3路配線は使わず、ソフトウェア側で制御を割り当てることで 3路スイッチのような機能を実装します』。

スマートスイッチの特徴の 1つは、スイッチを押したときに何が起きるか、つまり、スイッチの割り当てを後からソフトウェア側で変更できる点にあります。スマートスイッチを使う場合は、物理的な配線で機能を実装するのではなく、ソフトウェア側の動作の割り当てで 3路スイッチを実現するのです。

では具体的な配線を説明していきます。以下に示しますのは、階段の上下に WS-B-USスイッチを用い、2つのスイッチで 1つの照明を操作する配線の一例です。

WS-B-USは、電源(Live)に接続する端子、アース(Load)に接続する端子、中性線(Neutral)に接続する端子、各照明機器に接続する端子があります。

階段の照明を 1階と 2階両方のスイッチで操作したい場合、2つのスイッチのうち、片方のみ(上図では 1階側のSW1)を階段の照明へ繋ぎ、もう片方のスイッチ(上図では 2階側の SW1)は階段の照明へ配線しません。Live, Load, Neutralについては、片切配線(1つのスイッチが 1つの照明と対応している)の場合と同様、両スイッチで接続しておきます。物理的な配線としてはこれで終わりです。

ただ、このままでは 2階側の SW1を押しても何も起きません。そこで、ソフトウェア側でスイッチの割り当てを行い、2階側の SW1が ON or OFFされた際、1階側の SW1も ON or OFFできるように設定します。

ここから先は使用するエコシステムの種類によって設定方法が若干異なりますが、基本的な設定はどのエコシステムでも共通しています。

まず、両スイッチを Matter連携でエコシステムに追加した後、以下の 2つの自動化を設定します。

・2階側の SW1が ONになった際、1階側の SW1を ON または OFFにする(ON/OFFを切り替える)
・2階側の SW1が OFFになった際、1階側の SW1を ON または OFFにする(ON/OFFを切り替える)

エコシステムによっては、スイッチの「ペアリング」という機能によって上記の自動化と同じ設定ができます。

これで通常の 3路スイッチと同じように、どちらかのスイッチを切り替えるだけで、照明の ON/OFFができるようになります。

詳しく触れませんでしたが、4路スイッチの設定でも基本は変わりません。3つのスイッチのうち、直接照明へ配線するのは 1つのスイッチのみ。残りのスイッチには何も繋がず、ソフトウェア側でのスイッチの割り当てと自動化によって、無線で照明を ON/OFFさせます。

通常スイッチとの併用はできる?

上記質問と合わせて、『通常のスイッチと組み合わせて、3路配線を組むことはできるか?』というご質問を頂きましたが、「WS-B-US」に限って言えば、『通常スイッチと組み合わせて 3路配線を組むような使い方は推奨されておりません』。

スマートスイッチの種類によっては通常のスイッチと組み合わせて使えるものもあるようですし、指ロボットを組み合わせれば通常のスイッチをスマートスイッチに変えることができます。ただ、基本的にはスマートスイッチ同士で連携させて使った方が考えることも少なく、後々の設定変更も簡単です。

このとき、WS-B-US以外のスイッチは WS-B-USで統一する必要はありません。Matterで接続でき、国内の規格に準じたものであれば、他社製のスイッチであっても問題なく機能します。