自転車用のスマートロック、SESAME cycle2と SESAME Touchを使って、指紋認証で自転車鍵を開けられるようにしてみました。ここでは商品の仕様と使ってみた感想を紹介します。
SESAME cycle2と SESAME Touch
まず、SESAME cycle2から紹介していきます。
SESAME cycle2が普通の自転車錠と違うところは、Bluetoothによって無線通信ができるところです。それ以外の機能は普通の自転車錠と同じで、物理的な鍵を使って錠を開けることもできます。
SESAME cycle2に信号を送る方法は複数用意されています。その内の 1つが SESAME Touchによる開錠方法です。
SESAME Touchは指紋認証用センサと青色ランプのみを備えたシンプルな外観をしています。しかしながら、複数人の指紋を記録できたり、交通系ICカードを使った開錠もできたり、と意外にも多機能。
SESAME cycle2と SESAME Touchを組み合わせて使うと、SESAME Touchのセンサ部に指で触れるだけで、自転車の錠を開けられるようになります。

様々な開錠方法
SESAME cycle2の錠を開ける方法は複数用意されています。上で紹介した方法以外にも、スマホを使った開錠が可能です。
後述する初期設定の段階で SESAMEアプリをスマホに導入するのですが、このアプリによって SESAME cycle2を操作できます。この場合、SESAME Touchは必要ありません。
他にも、SESAME Touch proで開けることもできます。SESAME Touch proは数字のキーパッドが付いていて、暗証番号による開錠が可能です。ただし、こちらは SESAME Touchよりも少し大きいことにご注意ください。
最後に、SESAMEスマートハブ経由で開錠することもできます。例えば、SESAMEスマートハブと Google Nestを連携させれば、Google Nestに「開けゴマ」と音声指示を出すことで、ロックを外せます。

ただし、この方法に関しては、SESAME cycle2が近距離通信しかできないことに注意が必要です。つまり、「指示を出すデバイス」、「SESAMEスマートハブ」、「自転車(SESAME cycle2)」の 3つが近接している必要があります。自宅がマンション高層階にあれば当然信号は自転車まで届かないですし、一軒家であっても壁を隔てれば届かない可能性はあります。また、外出先などでは使用が制限されるので、他の方法と組み合わせる必要も出てくるでしょう。
以下で、SESAME cycle2の開錠方法をまとめます。
・スマホアプリによる操作
・SESAME Touchによる指紋認証や ICカードの読み取り
・SESAME Touch proによる暗証番号入力
・スマートハブ経由の操作
・物理鍵
取付・設定方法
ここからは SESAME cycle2の取付・設定方法を紹介します。付属の説明書をしっかり読めば問題ありませんが、一部分かりづらいと感じる部分もありました。
大まかには以下のような流れになります。
1. 電池のフタを開けて、絶縁シートを取り外す。
2. 元々付いていた錠を外して、SESAME cycle2を取り付ける。
3. スマホアプリと連携。
取り付け順序は SESAME Touchも同じですので、まとめて紹介します。必要な工具は(基本的には)プラスドライバー 1本だけです。
絶縁シートを外す
取り付け時、まず最初にすることは、電池の絶縁シートを外すことです。SESAME cycle2は出荷時に電池消費を抑えるため、電池と本体の間に透明なプラスチックの絶縁シートが挟まっています。これを外さないと電源が入りません。
自転車に取り付けた後にやってもよいのですが、先にしておいた方が楽です。
プラスドライバーを使って電池のフタを開け、絶縁シートを引き抜きます。絶縁シートを外せば勝手に電源が入り、以降は信号を受信できる状態になります。
SESAME Touchの方も先に絶縁シートを外しておきましょう。外し方は SESAME cycle2と変わりません。これでこの工程は終了です。
錠の取り外し・取り付け
続きまして、元々付いている錠を取り外します。
自転車の錠は基本的に下図のような金属部品でポールを挟みこみ、2箇所で固定されています。このネジをプラスドライバーで外せば、錠を取り外すことが可能です。筆者も初めてでしたので、こちらの動画を見ながら取り外しました。仕組みが分かれば単純で、簡単です。

図 自転車錠取り付け用の金属部品
ただし、筆者の自転車についていたものは、普通の錠より少しサイズが大きいものだったらしく、自転車の荷台部分に引っ掛かって外せませんでした。最終的に自転車屋さんへ持っていったら、荷台部分を無料で外してくれました。本当にありがとうございます。

図 元々付いていた錠
次はいよいよ取り付けですが、SESAME cycle2の取り付け方法は普通の錠と変わりません。こちらは小さいので荷台が付いたままでも取り付けられました。取り外すよりも断然簡単ですので、取り外せたならばこちらは問題ないでしょう。
付属の金具は長さが3種類用意されています。ポールの太さに合うものを使いましょう。

図 SESAME cycle2を取り付けた状態
SESAME Touchの取り付け
また、この段階で SESAME Touchも取り付けてしまいましょう。こちらは付属の両面テープで取り付けるだけです。

図 SESAME Touchを取り付けた状態
ただし、自転車の種類によっては、平面的な貼り付けやすい部分がなく、取り付けられない場合もあるようです。そうした場合のためにタッチホルダーが販売されています。ご購入前には取り付けられる場所があるか、タッチホルダーが必要か、を確認しておきましょう。
アプリとの連携
取付が終わりましたら、専用のスマホアプリを使って設定をします。筆者の iPhoneは貧弱だったためか、取り扱い説明書に付いていた QRコードをカメラで読み込むことができず、App storeから直接ダウンロードしました。こちらのアイコンのアプリです。

図 SESAMEアプリのアイコン
使用にあたっては Bluetoothが必要です。アプリ起動時に Bluetooth使用の是非を問われるので、スマホに許可を出してください。電源の入っている SESAMEデバイスが近くにあるとアプリ上に表示されるので、これらを登録します。
次にすべきことは、SESAME Touchの指紋登録です。
Touchの指紋登録では最大100個の指紋を登録でき、複数人で自転車をシェアすることも可能です。また、一つの指も角度を変えながら複数回登録することで認証の精度が上がります。
最後に cycle2と Touchを連携させれば設定は終了です。
設定が完了したら実際にロックを外せるか試してみましょう。設定ができていれば、SESAME Touchに指を当てると、ランプが光って「ピピッ」と音がし、ロックを解除できます。
使ってみた感想
以下は、SESAME cycle2と SESAME Touchを使ってみた感想です。
こちらを使用する前に考えていたことは、ここまでする必要があるのかな、ということでした。鍵を取り出す動作は習慣化していましたし、時間的にはほとんど変わらないだろうと。
ただ、実際に意識して使ってみると、常に両手が空いているわけではなく、鍵を取り出すことが難しいケースもあったのだなと感じます。スーパーに買い物に行ったときだとか。そういう場合に鍵を取り出さずに済むことはとても快適です。
また、今回驚いたことは、タッチしてから錠が開くまでのタイムラグが大変短いことや、取付・設定がとても簡単なことなど、全般に使っていてストレスがほとんどないことです。アプリもシンプルで使いやすいものですし、使用者に応じて様々なオプションが用意されていることも支持される理由でしょう。
無線通信やセンサを活用した自動化技術が一般ユーザーの手の届くところに来たのだな、と強く感じました。
[このコラムで紹介したスマートホーム製品] SESAME cycle2 SESAME Touch