Matterの登場によって改善の兆しが見られるものの、未だスマートホームの他社間連携は複雑で、スマートホームが広まらない一因となっています。IKEA KAJPLATSはこうした状況をズバッと切り裂き、Matter環境下の分かりやすい回答を提示するスマート照明です。しかも安い。

本稿は、IKEA KAJPLATSがこれまでのスマート照明とどう違うのか、紹介していきます。

IKEA KAJPLATS

KAJPLATSは、IKEAが 2025年の末頃に発売したスマート電球です。2026年4月からは日本国内向けにも販売が開始されました。KAJPLATSはスウェーデン語で「桟橋」や「船の係留所」の意味。

ソケットに嵌めるタイプの普通の電球と同じ形をしており、ただの電球としても使えます。しかし、もちろんスマート電球でありますので、スマホからの操作や、センサーと連携した自動点灯・消灯、時間に合わせて自動で照度や色彩が変化する機能を持っています。

IKEA KAJPLATS

Matter over Thread

KAJPLATSの重要な特徴の 1つが、「Matter over Thread(Thread通信による Matter連携)」が出来るようになったこと、です。

Matterとは、これまで各社バラバラだったスマートホームのルールを統合するため定められた共通規格を指します。Matter準拠の製品であれば、他社の製品であっても連携が可能です。

Matterは Wifi, Ethernet, Threadという 3つの通信方式を採用しております。逆に言えば、この 3種以外で通信する製品は間にハブ(ブリッジとも)をかませなければなりません。

IKEAがこれまで販売してきた(2026年7月現在も販売している)スマート照明 TRÅDFRIは Matter対応ではありましたが、zigbeeという通信方式を採用しておりました。このままでは、Amazon Alexaや Apple HomePodのような Matterコントローラと接続できないので、IKEAのハブ DIRIGERAが必要です。

このハブという奴が曲者でして、スマートホーム初心者からすれば何でそんなものが必要なのか分からない上、それなりのお値段がします。また、スマートホームをどんどん家に導入していくと「家がハブだらけ」という状況になってしまいます。諸々加味するとスマートホームがいまいち普及しない原因の 1つになっているのかなと思う次第です。

KAJPLATSはハブ不要

対して、KAJPLATSは Thread通信ができます。つまり、IKEAのハブ DIRIGERAなしに、他社の Matterコントローラと接続できるわけです。

Amazon Alexaや Apple HomePodなど、Matterに対応したコントローラをお持ちの方であれば、KAJPLATSを購入するだけで、自宅の照明をスマート化できます。

将来的には、スマートホームあるあるの「家がハブだらけ」が解消されていくことでしょう。

ただし、Matterには対応しているものの、Thread通信はできない、という Matterコントローラも少なからずあることにはご注意ください。KAJPLATS購入をご検討される際には、ご自宅の Matterコントローラが Thread対応かどうかを確認しましょう。

また、国内の電球ソケットの口径は E17と E26がありますので、KAJPLATS購入時にもお間違えないように。

他の Matterネイティブ照明

KAJPLATSについて世紀の大発明かのように紹介しましたが、Matter over Threadで繋がるスマート照明は既にあります。数は少ないですが、国内でも購入できる商品として代表的なものは、NanoleafAqaraの LED電球です。

ただ、これらの商品と比べても IKEA KAJPLATSは安価ですし、世界的に有名な家具メーカーということで安心感もあります。ちょっと試してみたい、という動機であればベストな選択ですし、それで後悔しない程度には必要十分な機能が揃っていると思います。

接続方法

ここからは、IKEA KAJPLATSを Matterコントローラに接続する方法について紹介します。といっても大変簡単なのですぐに終わります。

今回は Aqaraの M3ハブに繋いでみました。

Aqara Homeアプリを起動し、右上の追加(「+」アイコン)をタップすると、デバイス追加が可能です。KAJPLATSの電源が入っていればこのタイミングでアプリが自動で KAJPLATSを見つけ出し、「KAJPLATSを追加しますか?」というポップアップが出てきます。

続いて、取扱説明書の表紙に描かれている QRコードを読み取る、またはコードを手動で入力すればデバイス追加のシーケンスが始まります。後は接続されるのを待つだけです。

IKEAのエコシステムに追加する場合も基本的な手順は変わりません。

基本的な流れは、「デバイス追加 > コードの読み取り」、です。

上手く繋がらない場合

私の場合、IKEAアプリでデバイス追加をしようとしたときに「DIRIGERAと同じ wifiに接続してください」的なことを言われましたが、アプリを再起動したら直りました。

ネット上では繋がらない報告もちらほら。その場合の対処法としましては月並みですが、以下の 3点が挙げられます。

  1. ハブの電源を一度落とし、しばらくしてから再度立ち上げる
  2. ハブやアプリが最新の状態にアップデート済みか確認する
  3. KAJPLATSを工場出荷状態に戻す

KAJPLATSを工場出荷状態に戻すには下の動画のように 6回 on/offを繰り返します。下の動画は KAJPLATSの前のスマート照明 TRÅDFRIについてのものですが、KAJPLATSは工場出荷時に戻す方法は共通です。

Google Homeとの接続不良

上では Aqara M3ハブと接続する方法を紹介しましたが、同様の方法で Google Nest miniに繋いでみたところ不具合が発生しました。

Matter over Threadで直接繋ぐと、KAJPLATSをオンオフすることしかできません。センサーとの連携や色調の変化などが行えなかったのです。

ならばとブリッジで繋いでもみたのですが、こちらの場合、Google Homeアプリ上で追加したはずの KAJPLATSがオフラインと表示され、操作自体できませんでした。

このオフラインと表示される症状については Reddit上でも全く同じ症状が報告されていたので、私だけではないようです。

Aqaraの方は問題なく使えているので、Google Homeの方に問題がありそう。Google Homeは常々、色々な方面から問題が指摘されていますが、今回もそういうケースのようです。残念ですが、Google Homeユーザーの皆様におかれましては、不具合の改善が見られるまで KAJPLATSの購入を控えた方が良いかと。

また、製品ページを見てみると、「リモコンと接続できない」という日本語のレビューが多くありました。私は試していないので分かりませんが、リモコンで操作することをご検討中の方もご注意ください。