近年、自然災害のリスクは高まり続けています。マンションで子育てをするご家庭にとって、もしもの備えは特に気になりますよね。この機会に、スマートホームでマンションの防災力をアップさせませんか?
本記事では、停電対策から災害情報の素早い入手など、スマートホームの便利な機能と、かしこい活用術を分かりやすくお伝えします。異なるメーカーのデバイスもスムーズにつながるMatterという共通規格が、これからの防災を大きく変え、ご家族の毎日をもっと安心なものにしてくれるはずです。
スマートホームとMatterが変えるマンション防災

災害が起きた時に一番大切なのは「早く情報を知り、適切な行動に移すこと」です。スマートホームは、まさにこの最初の行動で大きな力を発揮してくれます。
災害情報とMatter対応スマートデバイスの連携でいち早く危険を察知

スマートスピーカーや専用アプリは、気象庁からの地震速報や気象警報を、リアルタイムで音声やスマートフォンの通知で知らせてくれます。就寝中やテレビ、ラジオがついていない時でも、緊急情報をすぐにキャッチできるのは本当に心強いです。たとえば急な大雨による洪水警報が出た場合、スマートスピーカーが特定の地域の洪水警報をアナウンスしてくれるので、早めに避難行動に移れるきっかけになるでしょう。
また災害情報アプリとスマートホームシステムをつなぐことで、より詳しい地域ごとの災害状況や避難所の情報、ライフラインの状況までまとめて確認できます。マンションに住んでいる方は、地域のハザードマップと連携したアプリを導入し、居住エリアのリスクを事前に把握しておくことも大切です。Matter対応のスマートデバイスであれば、メーカーが違ってもスムーズに連携してくれるので、よりしっかりとした防災システムを築けますよ。
Matterとは?巨大プラットフォーマーの対立と和解について
異常を検知するMatter対応スマートセンサーで「見えない危険」にも対応

火災報知器やガス漏れ警報器といった従来の設備に加えて、スマートホームでは煙センサーやCO(一酸化炭素)センサー、水漏れセンサーなどを設置できます。センサーが異常を検知するとすぐにスマートフォンへ通知が届きますし、自動で照明が点いたり警報音が鳴ったりするよう設定もできます。
マンションで特に気になるのが、上階からの水漏れではないでしょうか。Matter対応のスマートな水漏れセンサーを洗濯機周りやキッチンに置いておけば、万が一の時も早く気づくことができ、被害が広がるのを防ぐことにつながるはずです。地震によるガス漏れや火事もセンサーが検知し、瞬時に家族のスマートフォンへ知らせてくれるので、素早い避難行動や初期消火につながる可能性が高まります。家族が外出中に異変があった場合、スマートフォンで状況を確認できるので、離れていても安心感があります。異なるメーカーのセンサーでもMatter対応なら問題なく連携してくれるので、柔軟にシステムを組み立てられます。
停電に備える!電源確保のスマートな選択肢と対策

地震や台風による停電の怖いところは、私たちの生活を麻痺させ、情報収集や通信の手段まで奪う点です。スマートホームを機能させるためにも、非常用の電源の確保は大切です。停電にしっかり備えることで、その不安を大きく軽減できるでしょう。
ポータブル電源とモバイルバッテリー
災害時の電力確保って気になりますよね。そこで活躍するのがポータブル電源です。スマートフォンやスマートデバイスの充電はもちろん、LED照明、情報収集のためのラジオ、さらには小型家電まで電力供給できます。まさに一家に一台は備えておきたいアイテムです。
スマートホームの視点から見ると、Wi-Fiルーターやスマートスピーカーなど、情報収集の中心となる機器への給電を優先できるように、容量や出力ポートの種類を考えて選ぶのがおすすめです。最近ではリビングに置いてもおしゃれなデザインや、持ち運びやすいコンパクトなモデルも増えていて、非常時だけでなくキャンプやレジャーでも使えるのが魅力的です。また、家族全員分のスマートフォンを何回も充電できる大容量のモバイルバッテリーも準備しておくと、停電時にスマホが充電できないなどの不安が解消されるでしょう。
家庭用蓄電池やUPS(無停電電源装置)
マンションでも導入が進む家庭用蓄電池補助金制度を活用すれば、大規模な停電の時でも自宅で安定して電気を使えるようになります。日中の太陽光発電で余った電気を貯めておいたり、電気料金が安い深夜に充電したりすることで、普段使いの電気代も節約できるメリットもありますよ。マンションの共有部に設置される大容量の蓄電池や、個別の住戸内に設置できるコンパクトなタイプなど、色々な選択肢があるので、ご自身のマンションの状況やニーズに合わせて検討してみると良いでしょう。
また、短時間の停電に備えるUPS(無停電電源装置)は、パソコンやWi-Fiルーターなどの一瞬でも電気が途切れてはいけない機器を守るのに役立ちます。停電が起きてもMatter対応スマートホームシステムが安定して動き続けるので、情報収集やセキュリティ機能が途切れる心配がありません。特にインターネットにつながるスマートホームデバイスがたくさんある場合は、UPSの導入がシステムの安定した動作に欠かせません。
次世代の電力供給システムV2Hの活用

V2Hとは「Vehicle to Home」の略称で、電気自動車(EV)を非常電源として活用できる、とても画期的なシステムです。もしもの停電時には、マンションの駐車場にV2H充電設備が導入されていれば、ご自宅のEVを非常用電源として活用することで、大規模な停電時にも長い時間にわたって電気を確保できるようになるでしょう。ライフラインが止まってしまった時でも、快適な生活を保つための心強い選択肢となるはずです。
停電時でも機能するスマートデバイス
せっかくスマートホーム化しても、「停電時にスマートロックの鍵が開かなかったらどうしよう」「防犯カメラを見たいのに映らないかもしれない」などと色々と心配になりますよね。停電に備えるなら、電池式のスマートロックやバッテリーバックアップ機能を持つ防犯カメラを選ぶのが安心です。停電中でも玄関のスマートロックがしっかり機能してくれるので、家族がスムーズに避難できるようサポートします。またバッテリーを内蔵した防犯カメラは、停電時でも家の状況を確認できるので、留守中の安全確保にも役立つでしょう。
停電時の情報収集には、防災ラジオをはじめ、スマホ充電機能を持つスマートスピーカーや、バッテリー駆動のWi-Fiルーターが有効です。センサーライトは停電時でも自動で点灯し、避難経路を明るく照らしてくれます。台風や地震などのあらゆる停電への不安を軽くしてくれるスマートホームは、まさに現代の暮らしに欠かせないアイテムです。
日常から始める!スマートホーム防災の賢い導入術と活用ポイント
スマートホームの防災機能は、いきなり全部を揃える必要はありません。ご自身のライフスタイルや予算に合わせて、少しずつ導入していくのが賢い方法です。
マンションでスマートホームによる防災を始める際の注意点
マンションでは管理規約によって、共用部分への設備設置や室内のリフォームに制限がある場合があります。家庭用蓄電池やソーラーパネルの導入を考える際は、事前に管理組合や専門業者に確認しましょう。最近では、工事が不要で賃貸マンションでも導入しやすいMatter対応スマートデバイスがたくさん出ています。Wi-Fi環境さえあれば、気軽にスマートホームを始められるので、まずはできることから試してみるのがおすすめです。
家族を守る!Matter対応のおすすめスマートホーム防災アイテム

防災アイテムとして以下のスマートデバイスが挙げられます。
- スマートスピーカー
- スマート照明
- スマートプラグ
- スマートセンサー
- スマートカメラ
- スマートロック
スマートスピーカーは災害速報を読み上げてくれたり、家族への緊急連絡、スマート家電の操作、ラジオの再生など、情報収集と操作の中心として大活躍します。バッテリー内蔵のスマートスピーカーは停電時にも心強い味方になってくれるでしょう。
スマート照明は停電時に自動で点灯する機能(バッテリー内蔵タイプ)や、スマートフォンからの遠隔操作、明るさ調整で避難時の安全を確保してくれます。夜間の停電時でも足元を照らして安全な避難経路を確保できるので、お子さんがいるご家庭では特に安心ですね。
今ある家電をスマート化できるスマートプラグは、スマートフォンからオンオフを遠隔操作できるようにします。外出先から消し忘れの家電をオフにしたり、タイマー設定で不審者の目を欺いたりする防犯にも繋がるでしょう。災害時、外出先から自宅の家電の電源をオフにして、火災などの二次災害を防ぐことも可能です。
各種スマートセンサーは、火災や一酸化炭素漏れ・水漏れを検知してスマホへ通知を送り、被害拡大防止にも役立ちます。人感センサーは、停電時に自動で照明を点灯させたり、不審者の侵入を検知したりと、防犯と防災の両面で役立つでしょう。
スマートカメラ(防犯カメラ)では留守中の自宅の様子をいつでも確認でき、不審者の侵入時には通知が届きます。バッテリー内蔵モデルであれば停電時も安心です。
スマートロックは鍵の締め忘れを防ぎ、スマートフォンで施錠状況を確認できます。緊急時も遠隔で解錠し、家族の安否確認や避難のサポートに役立つでしょう。なお停電に備えて、電池式のスマートロックや、物理鍵と併用できるものがおすすめです。例えばスマートロックの「SESAME 5 Pro」は、電池式で耐久性が高く、防災面にも優れた製品です。
Matterがもたらす互換性と将来性で選ぶスマートホーム製品
スマートホーム製品を選ぶ際は、信頼できるメーカーの製品を選ぶことが大切です。長期的なサポート体制やセキュリティ対策も確認しておきましょう。そして何よりも、Matter対応製品を選ぶことを強くおすすめします。Matterは、スマートホーム製品同士のつながりを高める共通規格で、メーカーの垣根を越えてデバイスがスムーズに連携する環境を作ってくれます。
これまでのスマートホームでは違うメーカーの製品を連携させる時に、複雑な設定が必要だったり追加のハブが必要になったりすることが多かったのですが、Matter対応製品であれば、そうした手間が解消されて簡単な設定でたくさんのデバイスをまとめて管理できます。Matter対応にしておくと、災害時のような緊急事態においても、普段使い慣れたアプリやスマートスピーカーを通じて、すべての関連デバイスを直感的に操作できるという大きなメリットがあります。また将来新しいスマートホーム製品が出た時にも、Matterに対応していれば今あるシステムに簡単に組み込めるので、システム全体の広がりも保証されます。一度導入した防災システムを長く安心して使い続けられるのは、嬉しいポイントですね。
Matter対応スマートホームで、未来の家族を守る安心な暮らしを

スマートホームは日々の暮らしに便利さをもたらすだけでなく、災害時に大切な家族の命と安全を守るための力強いツールになってくれます。素早い情報収集、停電時の電力確保、そして普段の防犯対策まで、防災機能は本当にたくさんありますね。
地震や台風による停電といった不安を、スマートホームの力で「安心」に変えてみませんか。Matterという共通規格が、これからのスマートホーム防災の鍵を握るでしょう。本記事がマンションでの防災対策をより豊かで安全なものにするためのお手伝いになれば嬉しいです。ぜひこの機会に、家族の未来を守るスマートホーム防災を検討してみてください。