2025年10月ごろ、スマートホームメーカー各社が提供している専用アプリで、自動化に関する仕様変更がありました。今回は変更があった内容について紹介し、なぜ同じような時期に同様な変更がなされたのかについて考えてみます。
各社の自動化アップデート
この記事を書いた者は、Google, Aqara, IKEA, Candy Houseのスマートホーム製品を導入し、利用しています。
そのほとんどのメーカーのアプリについて、2025年10月ごろ、専用アプリにアップデートが入り、特に「自動化」についての仕様が変更されました。具体的な変更点について、以下で簡単に紹介していきます。
IKEA
IKEAのアプリはシンプルで暖かみのある見た目をしているため使っていて気持ちいいのですが、従来の自動化に関しては明確な欠点がありました。
それが「照明を自動で消灯できない」というところです。
例えば、IKEAのドアセンサーを使って IKEAの LED照明を点灯させたとしても、「5分後に自動で消灯する」という設定はできず、この設定をするためには Googleのコントロールデバイスと連携する必要がありました。
この点については、過去の記事でも紹介しています。
今回のアップデートではこの点が改善され、ドアセンサーで照明を点灯させた際に、時間を指定して自動で照明を消灯できるようになりました。
筆者は玄関扉にドアセンサーを設置し、玄関の照明を自動でオンオフさせています。そのため、照明を自動で消灯させないと外出時に玄関照明がつきっぱなしになってしまい、自動消灯機能は必須でした。これまで、IKEAのデバイスだけではこの設定ができないので、Google Home と連携して自動消灯させていましたが、これが Google抜きでできるようになった、ということです。

IKEA製品は初期設定も簡単で、初心者でも始めやすいスマートホームブランドでもあるわけですが、細かいところに手が届かないところが欠点でした。こうしたアップデートがあると、知人にも安心して勧められるな、と思います。
照明の明るさや色を時間に応じて変化させることができるアダプティブスケジュールは前からあったような気もしますが、大変便利な機能です。スマートホームデバイスを空間演出のツールと捉えているところが IKEAらしいなと感じます。

IKEAの UIアップデートについては公式サイトでも触れられていますので、よければこちらもご参照ください。
Aqara
続きまして、幅広いスマートホーム製品を販売している Aqaraですが、専用アプリの中で「オートメーション 2.0」をローンチしました。自動化設定の中に if条件を追加できるようになった、というのが主な変更の内容です。
Aqaraの公式フォーラムでは、天気によってブラインドの開閉を制御する、という応用例を紹介しています。
自動化の開始条件としては「毎日 7時にブラインドを上げ、17時に下げる」としておき、if条件の欄に「晴れの日のみ」と設定すれば、雨や曇りの日にはブラインドを上げない設定にできます。
ただ、この変更に伴い、以前から設定していた自動化の一部が使えなくなってしまう不具合がありました。もし今、Aqaraの自動化の一部が最近使えなくなっている方がいらっしゃれば、再度設定してみると使えるようになるかもしれません。
Aqaraアプリの UIは良くも悪くもソースコードの書けるプログラマ目線であり、IKEAほどにユーザーフレンドリーではないのですが、IKEAと違って最低限必要のものは必ず備えてくれる安心感があります。
Google Homeアプリについてもアップデートが入りました。自動化に関するアップデート内容は Aqaraと同じく if条件を追加できるようになった、というものです。
なぜ同時期に?
このたび、自動化に関するアップデートが多くのメーカーで同時になされたわけですが、ここまでタイミングが被っていると、「何かあったのか?」と考えてしまいます。
筆者は何年もスマートホームを利用している古参ユーザー、というわけではないので通り一遍のことしか言えないですし、推測の域を出ないわけですが、IFTTTなどのスマートホーム用自動化アプリが有料化した影響は大きいのではないでしょうか。
IFTTT(If This Then That)とは、インターネット上の様々なアプリやサービスを自動で連携するツールです。代表的な使い方としては、Twitter上でとある投稿をすれば、同じような投稿を Facebookアカウント上でも自動で投稿する、などの自動化があります。
これをスマートホームに応用すれば、ドアセンサーが開けば照明が点灯する、のような自動化が可能となります。実際に昔から IKEA製品でスマートホームを使っていた方の中で細かい自動化をしたい人は、IFTTTを使うのが前提であったようです。つまり、自動化において明らかに足りない部分はあるものの、それが気になる人は IFTTTなどの外部連携ツールを使えばよい、と。
この IFTTTですが、2年ほど前に無料版が終了しました。それまで連携できていたパナソニックや、Amazon Alexa、Nature Remoなどは無料の連携を順次終了しています。
今回、多くのメーカーの自動化に変更があったことも、この辺りの変更を受けてのことなのかな、と思います。つまり、これまでは自動化において足りない部分を外部連携ツールで補っていましたが、これをメーカー自身が提供し、スマートホーム初心者でも高度な自動化が設定できることを目指す、という流れになってきたのではないでしょうか。
スマートホーム初心者の筆者の立場だと、今回のような変更によってスマートホームの敷居が下がっていくのは大変良いことだと思います。ただ、これまで IFTTTなどを利用し、苦労してスマートホーム周りの環境を作っていた方は複雑な心境なのかもしれません。もちろん全て推測ですが。