SESAMEシリーズで知られる CANDY HOUSEはクラウドファンディングによって創業期の資金を調達し、スマートロックの製造・販売事業を拡大してきました。クラウドファンディングは一般消費者から広く資金を募る方法ですが、CANDY HOUSEがクラウドファンディングで資金調達できた理由は何だったのでしょうか?
今回は CANDY HOUSEがクラウドファンディングで大きな注目を集めた理由と、SESAMEシリーズのどこが革新的だったのか、について紹介します。
CANDY HOUSE 創業期
CANDY HOUSEは、SESAMEシリーズの製造・販売を中心として事業を展開するスマートロックメーカーです。
その創業の経緯(リンク)については創業者である Jerming Gu氏自身が会社のサイト上に紹介しています。
曰く、SESAMEの始まりは 2013年、スタンフォード大学の学食での出来事。Jerming Gu氏以外の学生が皆、カードを使ってスマートに決済しているのを目の当たりにし、感銘を受け、自分も早速デビッドカードを使い始めたそうです。
その後、ドア鍵についてもスマートフォンで置き換えられるはずだと思いつきました。「スマートフォンで開錠できるドアロック」を作るため、コンピュータサイエンス分野の友人を誘い、2014年に設立したのが CANDY HOUSEです。
3Dプリンターを共同で購入し、試作品を作り、これを持って大学周辺のベンチャーキャピタルへ PRを始めます。

クラウドファンディング
CANDY HOUSE躍進のきっかけとなったのが Kickstarterというサイトでした。自主製作映画や音楽、ガジェット、ゲーム、アプリ開発など多様なプロジェクトを支援すべく、プロジェクトの主催者へ寄付ができるサイトで、いわゆるクラウドファンディングのためのプラットフォームです。
2015年、CANDY HOUSEは Kickstaerterを活用して総額 $1.4m(時価約1.4億円)の資金調達に成功しました。この結果をベンチャーキャピタルに PRすることで、さらに $1.4mの資金を調達しています。クラウドファンディングで多くの一般消費者から支持を受けたことが、投資家へのアピールに繋がったのです。
日本のドア鍵形状に対応した「SESAME mini」を開発する際には、Kickstarterと同様のクラウドファンディングサイト Makuake(こちらは日本企業「サイバーエージェント」が運営)でも資金調達を行っています。2018年に始まった本プロジェクトは最終的に 1億円程を獲得しました。
SESAMEによる革新
一般に、クラウドファンディングで成功するためには、そのプロジェクトの魅力を消費者へ分かりやすく伝える必要があります。では、SESAMEが持つ「魅力」とはどういったものだったのでしょうか?
創業者自身はフォーブス誌へのインタビューにて、クラファン成功の理由を以下のように語っています。
「人々がよりシンプルで、よりスマートなライフスタイルを求めていることが大きいと思う。」
SESAMEによって私たちの生活からは物理的な鍵というものの存在が不要になります。持ち歩くべきものは少なくなり、鍵の開閉でまごつくこともありません。こうしたライフスタイルに多くの人から共感が集まったことが最大の理由だと分析しているようです。
また、SESAME以前、住宅用電子錠の設置には工事が必要で、備え付けのものであることがほとんどでした。韓国など一部地域ではこうした形態が広く普及しています。
一方、SESAMEが提案したスタイルは工事不要で後付けできるものでした。備え付けのオートロックよりも 2桁ほど安価に導入でき、設置も簡単ですぐに使えます。従来のように物理的な鍵を使うこともでき、単純に「スマホで開けられる」という機能を追加するものでした。
シンプルで無駄がないだけでなく、安価で簡単に実現できるところも SESAMEの魅力の 1つです。
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機能の拡充
CANDY HOUSEは世界中の鍵の規格を入念に調べ、可能な限り多くの鍵に対応できるよう、形状を工夫してきました。また、機械的な強度の改善や誤作動発生の抑制に取り組み、信頼性向上に努めています。
他社製品との連携にも当初から積極的でした。Amazonの Alexaなど、スマートスピーカーによる音声操作や、IFTTTなどの連携サービスで操作できるようにソフトウェアが改訂され、近年では Matterにも対応するようになりました。
この間、指紋や静脈、顔などの生体認証による開錠を可能とする周辺ガジェットも販売されています。現在では、専用スマホアプリによる操作のみならず、ICカードをかざす、指紋を認証する、「開けゴマ」と発声するなど、様々な方法で SESAMEを開錠できるようになりました。
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あらゆる鍵を SESAMEに
CANDY HOUSEが目指すのは「あらゆる鍵」をスマートフォンに統合することです。これはドア鍵に限定されません。
創業者自身が語った応用例として、ホテルの運営会社が SESAMEを導入すれば、ユーザーはスマホだけでチェックイン、チェックアウトが可能になるでしょう。2021年には自転車用の電子錠など、ドア鍵に留まらない製品開発が進められています。
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